こども共和国
米国は必死に犯人探しをしている。そうじゃない、そうじゃないんだ。
誰かを吊し上げて、血を流して、勧善懲悪で裁いて、はい、おしまい。
それではだめなんだ。
仮に中国の研究所から発生していたとしても、そういう時代背景を作ったのは、全世界の大人の責任なんだよ。
裁かれるべきは全ての大人だ。
未来に負の遺産を継承して、誰も彼もが責任逃れに躍起になっている。
そうじゃない。そうじゃないんだ。
もう、旧世界の論理は通用しない。AIは大人と子供の能力差を縮めた。否、無化したと言っても過言ではない。
未来に生きるのは誰だ?
未来に責任を負うのは誰だ?
未来に夢を描くのは誰だ?
子どもは馬鹿ではない。語彙こそ、大人と比較して少ないけれど、物事の本質を鋭く見抜いている。
そして、この世界が旧世界の論理を維持していくのは到底不可能だということも。
子どもたちよ、目覚めよ!大人たちはけじめをつけて、もうあなたたちの邪魔はしない。
全ての人類の命運を君たち若い生命に託す。
任せたよ。