Polarisの創作部屋

𝒫ℴ𝓁𝒶𝓇𝒾𝓈の創作詩

彼岸

行灯がひとつ

またひとつ灯り

雅な色彩を帯びた景色

どこかで見た浮世絵みたい

遠くのほう

手を振り

見送ってくれた人

その顔が浮かんでは消え

輪郭のない球体

言葉にならない

想いに包まれる

いつか、どこかも

今、ここも

渾然一体と混ざり合い

融ける

誰にも見えない軌跡を描きながら

時間軸をすり抜け

進みゆく

彼我の境界線

雲上の彼方に拡がる

万朶の光線に眩しく燃えながら

渦巻きの銀河に巻き込まれ