2020-03-18 彼岸 創作詩 行灯がひとつ またひとつ灯り 雅な色彩を帯びた景色 どこかで見た浮世絵みたい 遠くのほう 手を振り 見送ってくれた人 その顔が浮かんでは消え 輪郭のない球体 言葉にならない 想いに包まれる いつか、どこかも 今、ここも 渾然一体と混ざり合い 融ける 誰にも見えない軌跡を描きながら 時間軸をすり抜け 進みゆく 彼我の境界線 雲上の彼方に拡がる 万朶の光線に眩しく燃えながら 渦巻きの銀河に巻き込まれ